3月に入りました。

何となく、空気がやわらかいです。
木々にはほんのりと赤みがさし、小枝の先がふっくりとしていて、生気が漲っているのが分かります。
夫とは、週に一回~二回くらいドライヴを楽しんでいます。
先日は、フッと益子へ立ち寄りました。
趣のあるお店が目にとまり、何気なく、でも引き寄せられるように車をとめました。
すると、そこのご主人が出て来て、
「コーヒーですか。2つネ。
そちらのお店で待っていてください。
今、私が淹れていきますから・・・。」と、
言われるままに、しばらくウットリと、お陽様の溢れるお庭に目がいき、
イヌフグリの青にみとれ、水仙の蕾のふくらみにみとれ・・・。
瓦屋根に並んで日向ぼっこをするふくら雀の可愛らしさにみとれ・・・。
のどかに時が流れました。
お部屋のストーヴが心を温め・・・、時を温めていました。
時が止まったように、ただ今にあるだけでした・・・。
ふくら雀がお喋りをはじめたかと思うと、列が乱れました。そして、・・・
ご主人が入れたてのコーヒーを持って、ガラガラッとガラス戸が開いて入ってきました。
深緑のお皿がテーブルに乗せられて、次に抹茶茶碗がそのお皿に乗せられました。
抹茶茶碗に注がれたコーヒーの琥珀色が美しいです。
「焙煎からの淹れたてのコーヒーは、ここでしかのめませんョ。
とにかく美味しいですョ。心を込めて淹れました! 」と、ご主人。
抹茶をのむように、両手で茶碗を包み込むようにして、香りと共に丁寧に味わいました。
「ウ~ン! 美味しい! なんと爽やかなノドごし~! 」と、私。
「ソウソウ、ソウナンデス! 」と、ご主人の語りはしばらく止まりません。
今度は、深緑の大皿に目がいきました。
「 サービスに、・・・どうぞ召し上がって下さい。」
大皿には大きな栃の葉が敷かれていて、その上に円いチョコレートデニッシュ・パンが乗っていました。そして、真っ白い花が添えられて、パンが引き立つように盛り付けてあるのです。
このようなところから、ご主人の生き方が分かります。
豊かな心で楽しんでいるということが分かります。
豊かに生きるということは、このような心で人生を楽しむということですね。
このご主人を見ていると、ワクワクしてきます。
豊かな心を持つ人の周りの風景は、豊かな雰囲気が満ちています。
同じ風景を大勢の人と見ているとしましょう。
一人一人の心に映し出される風景は一人一人違います。
ワクワクしている人と、心が沈んでいる人では全く違った風景が見えています。
趣のあるお店と私が感じても、他の人にとっては変なお店だと感じたり、魅力を感じないかもしれませんね。
私たちの心のエネルギー(心の状態)は、世界に、人生に投影されていきます。
そして、生きる環境を作り、人間関係を作ります。
全てが自分で作ったイメージの世界であるとしたら、私たちは心の持ち方で、世界を、そして人生を変えることの出来る存在ということになります。
心が癒されていないと、その癒されないままのエネルギーで世界を作ります。
この、美味しいコーヒーを淹れてくれたご主人が言っていました。
「 今の世の中、悪いとか大変だとか言っていますが、私はどんどん良くなっていると思います。
いい世の中です。
そう感じませんか。」 と。

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